昨今、テレビの試合放映などでバドミントンの試合を見る機会が増えた方も多いのではないでしょうか?その際、学生時代に授業や部活動を通して経験されたことある方も懐かしい気持ちになりながら試合を応援する方、筆者だけではないはずです!
その当時から振り返ると、バドミントンも用具の進化、ルールの改定があったことをご存じでしょうか?バトミントンの変化をたどっていくことでますます、試合の見方や、プレイの仕方も変わってくるかもしれません。
今回は「バドミントンの変化とトレンドについて」ご紹介します。
プレースタイルに影響大!「ラリーポイント制」の導入(2006年~)
ルール変更の中でもプレースタイルの大きな変更を求められたのはやはり「ラリーポイント制」の導入ではないでしょうか。
ルール変更前は、「サービスポイント制」となっており、サーブ権を持っている時に、攻撃を決めたり、相手がミスした時に自分の得点となります。逆に、サーブ権を持っていない時は、上記内容でも、サーブ権が移動するだけで、得点には加わりません。
ダブルスになると、コートに2人いることから、サーブ権は2人分、セカンドサーバーあり、実力が拮抗する試合になると1試合終わるまでに1~2時間とかかることも多々ありました。上記の理由から持久力勝負なこともあり、緩急の変化が少なく、滞空時間の長いショットを使用したラリー展開を中心としたプレイが多くみられました。
1ゲーム、2ゲームと15点マッチ、ファイナルゲームは7点マッチで2セット先取というルールでした。
▼参考動画▼ ★サービスポイント制
2006年より、「ラリーポイント制」に変更したことにより、試合時間の短縮はもちろん、試合展開も大きく変わっていきます。サーブ権の所持関係なく、サーブ1本のミスでも自分の失点になり、攻撃が決まれば自分の得点になります。
サーブもなるべく攻撃されないようなサーブが主流となり、ショートサーブを使用する選手が大半になりました。
プレーも「つなぎ球」が減り攻撃を先に仕掛けて得点に繋げたいとの心理が働く為、短いショットと長いショットのメリハリがあり、スピード感のある試合展開に変わっていきました。
得点も21点マッチで2セット先取へと変わっています。
▼参考動画▼ ★ラリーポイント制
現在のバトミントンの放映を見ていても、早い試合展開で、スピード感があるラリーを見るとついつい声が上がってしまいます。それはこのルールの変更が大きく影響していたと考えると面白いですよね。
サーブの改定(2018年~)
旧ルールではシャトルがウエストより下の位置からサーブを打つというものでした(ウエストとは、肋骨の一番下の部位の高さで、胴体の周りの仮想の線とする)。そして、サーバーが持つラケットヘッド及びシャフトは、シャトルを打つ瞬間に下向きでなければならない、というルールでした。
背の高い選手だとウエストも高い位置に来るので有利になったり、サーブの時につま先立ちになり高さを稼ぎながら打つ選手もいたりと、体格にかなり左右されてしまう要素のあるルールでしたね。またシャフトの位置も指定があったため、サーブが浮きやすくなり、攻撃的なリターンされラリーが終わってしまうなどもよく見られました。
サーブルールが改定されたのは2018年の国際大会から(2019年からは国内トップの試合でも導入)。
- サーブの高さは115cm以下でなければならない
- シャフトの向きは関係がなくなる
ルール改定に伴って、サービスジャッジの前には透明な板が置かれるように。
これにより、それまでの「ウエストの高さ」という曖昧な基準から、はっきりとわかる客観的な基準に変更になりました。
115cmの高さからだと、いわゆる「ピンサーブ」と呼ばれるドライブ気味に打つサーブが出来るようになったと言われています。よって相手に攻撃させづらいサービスを打つことがしやすくなりました。
ラケットの変化
上でご紹介した「ラリーポイント制」の影響によりバトミントンの用具もどんどん変化をしていくこととなります。攻撃的なプレースタイルが多くなったことにより、ラケットの軽量化がどんどん進むこととなりました。
現在のラケットは約80グラム前後というのが一般的ですが、50年以上前は120〜140グラムが当たり前でした。
ラケットの素材もウッドラケットや金属製だった時もあるのですから驚きです!木製時代はラケットが重くシャフトのしなりも小さいため、大きなスウィングでコースを狙うプレーでしたが、アルミになるとラケット強度が増し軽量化も進んだことでシャトルコックを力強く高速で打ち返せるようになりました。
現在はカーボン素材が導入され、肘や手首を使ったコンパクトなスウィングで素早く返球するスピードラリーが確立されました。
まとめ
バドミントン以外のスポーツ全般に言えることですが、ルールの改定により、プレースタイルの変更を余儀なくされたり、せっかく覚えたルールを一から覚えなおさないといけない等、デメリットもあるかもしれません。
しかし、その時その時のルールに応じて新たなプレースタイルの確立や、新しい技への挑戦など、プレーをしていく上での成長につながるタイミングとも言えますね。
また今後ともルールの改定はあるかもしれません。その改定によりどういった変化が生まれるのか楽しみになってきますね。