2010年代は世界的に有名なスポーツメーカーであるアディダスが、バドミントン界に進出して話題を呼びました。
しかし2020年以降、アディダスの新アイテムの発売情報や道具を使用している選手を見かけないなと感じている人も多いようです。
今回は以前と比べて存在感が控えめになったメーカーは、現在どのような状況にあるのかをご紹介します。
近年見かけないバドミントンメーカー
以前より道具を使用している選手を見かけなくなった主なメーカーは以下の3つです。
- アディダス
- ウイルソン
- バボラ
いずれも世界的に有名なメーカーです。
バドミントン以外のスポーツギアの開発や販売に一層力を入れている印象を受けます。
これまでの日本バドミントン界での活動内容や現在の状況などをご紹介しましょう。
アディダス_Adidas
アディダスは幅広いスポーツ用品の製造や販売を行う、ドイツ発祥のスポーツブランド。スポーツ用品はもちろん、アパレルやアクセサリーなども展開しています。
【2010年代前半】アディダスがバドミントン界に進出
アディダスは2010年代前半からバドミントン界に進出。以下のトップ選手と用具契約を結び大きな話題を呼びました。
- ビクター・アクセルセン(デンマーク/東京五輪男子シングルス金メダル)
- 奥原希望(2017世界選手権女子シングルス優勝)
- 上田拓馬(元日本代表)
- 池田信太郎(元日本代表)
- 潮田玲子(元日本代表)
ラケットやシューズ、ウェア、バッグまで幅広くバドミントンギアを販売します。
先端のパーツを付け替えることでヘッドの重さを変えられるラケットなど、ユニークな製品も販売してバドミントン界を盛り上げました。
【2010年代中盤】バドミントン事業から一度撤退
2015年には奥原希望選手がミズノから用具サポートを受けるなど、アディダスとの契約が終了します。
以降はトップ選手との契約もなく、当時アディダス製品を販売していたRacket Sports Japan株式会社は2015年にバドミントン界から撤退しました。
現在のアディダス
2017年に株式会社スリービーが正規販売代理店となり、アディダスのバドミントン製品をリニューアル販売し始めました。
ラケットやシューズをはじめ、人工素材と天然素材を組み合わせた「ハイブリッドシャトル」をリリースするなど再び注目を集めます。
しかし2022年9月3日を最後にSNSの更新はありません。
公式サイトで購入可能な商品数も、ラケットとバッグの計4つに縮小しているため、今後バドミントン事業から再び撤退する可能性があります。
ウイルソン_Wilson
ウイルソンはテニスや野球、バスケットボールなどのボールスポーツを中心に用具の開発・販売をしているアメリカの企業です。
【2006年〜】バドミントン事業に参入
ウイルソンは2006年から本格的にバドミントン事業に参入し、ラケットはもちろんシューズやウェアなど幅広い製品を販売していました。
(参考:https://amerjapan.com/media/contents/175)
2009年には元世界ランキング3位の佐々木翔選手と用具契約を締結します。
以降も以下の有力選手と契約を結び、国内外でウイルソンのギアが使用されるのを見られるようになりました。
- 松友美佐紀(リオ五輪女子ダブルス金メダル)
- 池田信太郎(元日本代表)
- 数野健太(元日本代表)
- 松田蒼(元日本代表)
- 武下利一(元日本代表)
松友美佐紀選手はウイルソンのフィアースシリーズを使用して2016年のリオオリンピックを制したことから、ウイルソンラケットの高い技術力が証明されました。
現在のウイルソン
2016年12月にウイルソンは松友美佐紀選手と現役生涯契約を結び、現在もパリ五輪の出場に向けてサポートをしています。
ただし2010年代と比較すると、現在のウイルソンは販売する用具のカテゴリーを絞っています。ラケットは豊富なシリーズをリリースしているものの、公式サイトでウェアの販売はなく、シューズも1モデルのみです。
今後はテニス用品のテクノロジーを応用しやすいラケットやストリング、ラケットバッグの販売に注力するのかもしれません。
SNSの更新も数ヶ月に一度ほどで控えめです。
もっと活動状況をアピールして欲しいですね!気になる!!
バボラ_Babolat
バボラはフランスを拠点とし、主にラケットスポーツ用品の開発や販売を行うメーカーです。
歴史は非常に古く、1875年にバドミントンでは初となる天然素材のストリングを発明しています。
現在テニス用品メーカーとしてのイメージが強いバボラですが、発端はバドミントンに関するアイテムでした。
【2006年〜】日本でラケットを販売開始
バボラは1995年からバドミントン用品の世界展開を開始し、2006年には日本でもラケットの販売を始めました。
2009年にはタイヤメーカーとして有名なミシュランと共同開発したバドミントンシューズをリリースします。ラケットをはじめ、高品質なシューズも取り扱っているメーカーとして多くの人に認知されました。
また2000年代から2010年代にかけて、以下のヨーロッパや日本国内のトップ選手と契約を交わすなど、積極的に選手のサポートもしていました。
- ヨアキム・フィッシャ-・ニールセン(元デンマーク代表/ロンドン五輪混合ダブルス銅メダル)
- マッズ・ピーラー・コールディング(元デンマーク代表)
- 数野健太(元日本代表)
- トリッキーパンダース(S/Jリーグ)
現在のバボラ
2020年6月30日までバボラのスポーツ用品を日本で販売しているのは、住友ゴム工業株式会社やダンロップスポーツマーケティングでした。2020年7月からはBABOLAT VS JAPAN株式会社に替わっています。
販売元が交代した頃から、SNSでの広告活動は以前と比べてやや落ち着きを見せています。契約している日本人選手も少なくなっていますが、トリッキーパンダースはバボラの用具を使用して活動中です。
2023年5月には公式オンラインストアが開始され、ラケットやシューズ、ウェア、ストリングなどを購入できます。
ラインナップも豊富なので、日本のバドミントン事業からすぐに撤退する可能性は低いでしょう。
まとめ
バドミントンは特定のメーカーが非常に強い影響力を持つのが、他の競技にはない特徴です。
そのため淘汰されるメーカーも多くなっています。
特定のメーカーの製品しか販売されなくなれば、道具選びの選択肢も狭くなり、面白みがありません。様々なメーカーの商品の中から自分に合う道具を選べるのが理想です。
今後は多くのメーカーがそれぞれ影響力を持つことで、バドミントン界がさらに盛り上がるのを期待したいですね!!